フリーのグラフィックデザイナーとしてからの軌跡を、自分の備忘録的な意味で少しずつ綴って行こうと思います。
年月が経つ程、記憶も薄れてしまいますので…
さて、今でこそフリーランスのデザイナーとして何とかやっていけてますが、
そもそも僕は独立するつもりはありませんでした。
元々京都のデザイン事務所で働いていて、将来やデザイナーとしての方向性などを色々考えた末に転職する事に。
他のデザイン事務所に転職したくていろんな事務所や代理店に面接に行きました。
リクナビとかの転職サイトも活用しました。
僕は京都ではかなりニッチな分野でのデザインの仕事をしていました。
職業としては一応グラフィックデザイナーとは言うものの、ポスターやチラシ、フライヤーなんて大学を卒業して以来ほとんど作った事がない。
名刺すら作った事がない、なんて状況でした。ちなみに営業もした事ありませんでした。
打ち合わせすら、行ったのは7年間で数える程です。
だけど転職希望先として向かうデザイン事務所は、当然ですがほとんどが広告や販促ツール、企画、パッケージやブランディング、
カタログ制作などをやっています。
僕は7年勤めてその当時確か27歳。27歳で経験者の中途採用となると、新卒の募集とは当然異なり
その分野でのある程度の実績や経歴、能力を有している事、つまり即戦力である事が求められます。
カタログを作ってる会社に面接に行ってるのにカタログどころか紙面のデザインをほとんどした事ない訳ですから、
受かるわけないんですねー基本的に。お断りの嵐。
書類選考だけで沈没する場合もあれば、面接までこぎ着けるものの3分くらいで終了したり、
ボロカスに言われた事もありました。
たまに内定が出そうになる事もあったのですが、条件面が折り合わず…(というか、同じデザインとは言え
その分野ではほとんど新人みたいなもんなのにまずまずの待遇を求めると言う、今思えばメチャクチャな事を考えてました)
仕事をしなくては収入が無い。とりあえずアルバイトを始めました。デザインとは全く関係ない仕事です。
携帯電話(当時はまだガラケーの時代でした)の契約者の情報をパソコンに入力するアルバイトでした。
ここでのアルバイトは、電話をする事が多かったため電話対応(の言葉遣い)という部分で今でも役に立ってます。
無駄な経験て無いのかも知れません。
僕は何をするにも人よりヘタクソで不器用なためミスも多かったのですが、しばらく続けて行くうちに
バイト先に友達も出来、スキルも少し向上し、元々はさほど頑張る気のなかったバイトですが
ちょっと楽しくなってました。
しかし自分が本当にやりたい仕事はグラフィックデザイン…カッコいいものを作りたい。デザインで誰かを喜ばせたい。
街中で、電車で、雑誌で、普段の生活の中でいろんなデザインを目にしていると、やっぱり諦め切れない。
バイトをしながらも転職活動をするものの、見つからない決まらない。
帰ってくる応募書類とポートフォリオ。一時間半かけて行って5分で終わる面接。
「その年齢までデザインやって来たのに、そんなもん?その経歴で何でウチに入ろうと思ったの?」
面接中からも明らかにわかる不合格の雰囲気と、むしろ「時間を無駄にした」と言いたいのが伝わってくるかのような目線、態度。
7年やってきて何の実績もない、転職する事すら出来ない。自分は向いてないのか?才能がない?悩む毎日でした。
消費されて行く時間。お金。薄れて行く自信。気力。活躍する人への妬み。嫉妬。ひがみ。
あーーーーーーーーもうどうせバイトで何とか収入もあるし、自分で仕事したるわい!
コネも何もないけど何とかやったるわい!!!
と突然謎の開き直りをかまし、勢いで独立開業してしまう事を決めたのでした。
続く