日本タイポグラフィ年鑑2016に、今回は4点入選致しました。うち一点はなんとベストワーク!
通知の手紙を見たとき、しばらく信じられませんでした。
案件のご依頼を下さいましたお客様、関係者の皆様、僕が応募したデザインを選んで下さった審査員の皆様、
誠にありがとうございます。
入賞したデザインは下記です。全てシンボルマーク・ロゴタイプ部門です。(それしか応募してない)
普段はいわゆる賞レースにはほぼ参加しないのですが、このタイポグラフィ年鑑だけは何となく毎年応募しています。
「賞」というものの存在や価値が今ひとつよくわからず、特に専門誌等で「●●賞をとるためにデザインしている」みたいな記述を見ると
「この人は一体誰の為にデザインしているのかな?何のためにこの仕事をしているのだろう」とよく思っていました。
なんだか、案件の課題解決やクライアントの喜びのためにデザインしているのではなく、大きな賞をとってステータスとなる事の方が
重要視しているように思えてしまい… デザインを制作している間も、「欲しい賞をとるためのデザイン」を凄く意識しているように感じていました。
とは言いつつ自分だって賞をとれたりコンペで採用になったりしたらやっぱり嬉しいのも事実です。
「ロゴデザインを自分の仕事としてやって行く!」と決めたとき、いろんなデザイナーさんのサイトやプロフィールを見ました。
本に載っている「このロゴすげー!」と感嘆したデザインの作者さんを中心にプロフィールを見てると、何故かこの業界のスゴイ人達は
皆この賞に入選している経歴があるのです。あとは、それまで自分自身のブランディングというものを全く考えてなかったので
「自分がデザインを制作させて頂く事の価値」を伝えるための客観的な指数の一つにもなるかと思いました。
「これは何かよくわからんけど自分もチャレンジせねばなるまい…」と、応募方法もよくわからないままトライを始めたのでした。
(ちなみに初めて応募した年は全て落選してけっこうショックでした)
文字の研究や造詣を深めるべく昨年僕はタイポグラフィ協会に入会し、この賞の授賞式を眺めていました。
驚くような造詣と表現のデザインの数々に「おお、よくこんなの思いつくなぁ…」と見ていたのですが、来年の授賞式で今回は逆の立場になるので不思議な気分です。
デザイナーとして僕の名前を知っている人は、元々の知人以外にはほとんどいません。大きな実績や経歴、メディア出演などが無いためです。
そんな僕が今回良い評価を頂けた事で、今まさにデザインに取り組みこれから頑張って行こうという方達にも良い意味で影響や刺激になれば
良いなと思います。また、そんな僕の応募デザインでも無名とか関係なしに真摯に審査して下さったのだとも思うので、
「よっしゃ俺もトライしたるで!」という人が増えて年鑑自体が底上げされたり活性化する事も願います。(これは協会員としての立場ですが…)
目標としていた実績を一つ(しかも思っていたよりも早く)実現する事が出来て困惑と喜びの両方の気持ちがありますが、
舞い上がらずまた一つ一つ1日1日丁寧に積み重ねて行けるよう、努力あるのみ。